STEAMスチーム教育

21世紀型スキル育成のため、ラボでは「STEAMスチーム教育」を行います。STEAMとは、上の5分野の頭文字で作られた言葉です。アートをのぞけば、一見日本語で言う「理系科目」のことかと思いますが、科学、テクノロジー、工学、アート、数学を、融合的に応用してものづくりを行い、かつ21世紀型スキルの育成に狙いを定めている点に本質があります

ではSTEAMとは何なのか、ここでも少し歴史を振り返ります。


STEM(ステム)教育

「STEAM(スチーム)」の元となったのは「STEM(ステム)」という言葉です。テクノロジーの急激な進歩によって、科学:S、テクノロジー:T、工学:E、数学:Mを統合的に使いこなす「STEMスキル」を持った人材の育成が重要な課題となってきたため、90年代のアメリカで提唱されました。

その後アメリカのブッシュ、オバマ政権は、STEMスキルを持った人材を育てる「STEM教育」を強く推進しました。これは21世紀型スキルに比べると、やや時間的視野の狭い、経済重視の視点ではありましたが、世界各国でSTEM教育が注目される切っ掛けになりました。日本でも、ロボット教室やプログラミング教室などがSTEM教育を掲げ始めて少しずつ普及して来ました。


~ STEM から STE ”A” M へ~

STEMが注目される中、それだけでは21世紀の価値は創造できないという考えが生まれます。おそらくはアップルの成功に影響を受けて、従来の「価値=機能や効率」という視点から、使う人の感情体験も現実的な価値の一部だという考え方へのシフトが起こり始めたのです。こうしてアートの”A”が”STEM”に加わった”STEAM”が提唱されました。アートは他のSTEM同士よりも相補的関係性が弱いため、従来の理系的立場からは批判の声もありますが、子どもの創造性を高めるという教育的視点に立てばこれは重要な一歩です


~ STEAM教育 と 21世紀型スキル の関係 ~

このように、STEAMと21世紀型スキルはやや異なった文脈から生まれたものですが、両者は徐々に融合して行きました。STEAM教育は「理系人材の育成」という当初の視点からもう少し踏み込んで、21世紀型スキルの育成をその旗印として掲げ始めたのです。

この融合には次のような重要な理由があります。21世紀型スキルの中心課題でもある「学び方の学習」は、実は教育業界の積年の目標でした。しかし、今までは自ら学ぶための手段が書籍しかなかったため、結局は精神論に留まっていました。しかしWEBやコンピュータなどテクノロジーの進歩によって、自ら学ぶ具体的手段が次々と発明されたため、「学び方の学習」が単なる精神論を超えて具体的なスキルになってきたのですこれは学習という文化そのものの本質的な転換です。クノロジーを重視するSTEAM教育は、将来の就職ために理系スキルを学ぶということではなく、21世紀を生きる力を身につけるために本質的に必要な方法なのです

画面上で行うプログラミングの学習であれば、すでに教室に通う必要などなくWEBで十分可能です(例『Code.org』『コード・モンキー』『ドットインストール』など多数)STEAMラボは、同じ空間に生きた人間が集まって、長い時間をかけなければ実現できない本質的な学びを行う場所なのです


抽象的な話が続きましたので、最後に必見の動画をご紹介します。WEBで生まれた21世紀の学習方法の具体例です。
彼の運営する学習WEBサイトは英語ですが、学習動画は日本語で見ることができます。